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20111113

ざっくばらんにラムタラや種付けのこと

【カテゴリ:日常】

ラムタラという競走馬がいた。
アメリカ生まれ、イギリス育ち。欧州三大レースを無敗で制覇し、4戦4勝という成績で競走馬を引退。種牡馬生活に入る。
1996年、日本の競走馬生産者団体が44億円超という価格でラムタラを購入。1口1億円超のシンジケートを組んでのもので、当時、日本でもニュースで大きく取り上げられ、話題となった。
98年に高校生だった僕は、このラムタラを牧場で見たことがある。スタイリッシュで、毛づやは艶々とし、賢そうなその顔はまさに王子様といった風であった。
種牡馬、というのは面白い世界で、僕は高校時代に何度か馬の種付けを見学させてもらったことがある。見学した種付けは、ヤシマソブリンとタマモクロスとマヤノトップガンと、ロイヤルタッチだったろうか。みな、それなりに競走馬として活躍した馬なのだが、牧場のおっちゃん達が言うには、馬にも「種付けが上手いのと下手なのがいる」とのことで、なるほど、タマモクロスの種付けは、こう、なんていうか、スムーズな足運びだった。
馬の種付けは、人工授精の牛と違い、自然交配で行われる。季節は春。馬はその本能から春にしか交配しない。というわけで春。段々と暖かくなってきた頃。まず、仔馬を生んだ後の牝馬(雌の馬)に発情が表れる。発情が表れるとどうなるかというと、基本的に落ち着かなくなるのだが、いよいよ種付けの準備がOKという段階になると、牝馬は陰部をパカパカと開いたり閉じたりする。これを専門用語でパッシングといい、この状態になったら、牝馬を馬運車に乗せ、種付け場へと連れていくのである。
種付け場に到着した牝馬には、まず一頭のオス馬があてがわれる。馬を放しているスペースを放牧地というのだが、この放牧地にオス馬が一頭放されており、メス馬を牧柵越しにオス馬へと近づける。するとオス馬は、メス馬から発せられる発情の気に触れ、勢い、やる気になるのだが、そのやる気になったオス馬を見て、メス馬がどんな態度に出るかを観察する。
この時、メス馬が拒否の態度を示したら、まだ種付けは出来ない。メス馬が拒否することなく、(つまり暴れだしたりせず)おとなしくしており、なおかつ陰部から潤滑液が滴り落ちてくるようであったら、牝馬の受け入れ態勢は整っている。この潤滑液、人間でいうところの愛液が滴らなければ、挿入はできない。
受け入れ態勢が整っていることを確認したら、いよいよ種付け場に入っていく。放牧地に放されたオス馬の役目はここで終了。目の前でメス馬の発情を確認させられたオス馬は、もう張りつめんばかりにギンギンになって、性器からは精液が出ている状態であり、極めて興奮しているのだが、この馬が種付けをするわけではないので、メス馬に乗っかることはできない。この残念な検査役のオス馬のことを「当て馬(あてうま)」という。
メス馬の発情の確認はとても重要で、これをせずに種付けを行おうとした場合、背後から迫る種牡馬を蹴とばして怪我させたり、場合によっては蹴り殺してしまうことがある。そうなると、種牡馬というのは何億という世界だから、大変なことになるのだ。
さて、種付け場に入場した牝馬だが、まず人間の腹ほどの高さに設置された太い丸太に紐をくくりつけ動かないように固定される。この時、その牝馬が子供を出産したばかりの母馬であったら、当然、仔馬を一緒に連れてきておかなければいけない。なぜなら、母馬は仔馬の姿が見えなくなると暴れだすからで、仔馬は固定された母馬の目の前に置かれる。一人が母馬の紐をしっかりとおさえ、一人が仔馬をおさえる。仔馬も慣れぬ状況に緊張し、暴れだすので注意しなければいけない。
そののち、種牡馬が牧場のおっちゃんに連れられて、牝馬の背後にやってくる。種牡馬には、なるほど、貫禄が備わっており堂々と入場してくる。この時点で、大抵の種牡馬はギンギンになっており、連れてこられるや、よっと立ちあがって牝馬の腰に前足をかける。中には、勃ちの悪いのもいる。これは何故かというと、人気の種馬というのは、1日に朝昼夕と3回も種付けをしなければいけないので、夕方の3回目にもなれば勃ちも悪くなるのだ。
メス馬にまたがったオス馬は、しかし、なかなか自分のものをメス馬に入れることが出来ない。そこで、横にいる厩務員のおっちゃんがオス馬の一物を握りしめ、穴へと導く。無事、接合したら、オス馬は二本の後ろ脚を前後させ、ピストン運動を開始する。時間にして数十秒から数分で事は終わる。事が終わると、オス馬はおっちゃんに連れられて、振り返ることなく種付け場を去っていくのである。
自分は高校の頃、この母馬を前で押さえている役をやったことがあるのだけど、目の前でいきり立って立ち上がる種牡馬の勢いは怖かった。目をひん剥いているのだ。
で、なぜ、冒頭にラムタラの話をしたかというと、このラムタラという種牡馬はずいぶんと神経質な馬だったらしく、周りに人間がいると勃たなかったそうなのだ。この話はラムタラを飼っていた牧場の厩務員さんから聞いた。
僕の高校は北海道の競走馬生産地帯にある農業高校で、生徒が馬の種付けを見に行く社会科見学のような行事があったのだけど、その時に誰かが「ラムタラの種付けは見れないんですか?」と牧場の人に聞いたところ、「あの馬は、見られてると勃たねえんだよ」という答えが返ってきたのである。そんな馬もいるんだなあ、と思ったのを覚えている。
その神経質もあってか、ラムタラの子供たちは競走成績が振るわなかった。結局、ラムタラは2006年に日本円で2750万円という破格の値段で買い戻され、栄光の時代を過ごしたイギリスへと帰っていったのだった。


馬


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