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20111211

師走の夜

【カテゴリ:日常】

早いもので12月。このブログも今年残すところ、あと3回となりました。
師走ですな。
12月のツルっと晴れ上がった快晴、気温は低いけれど気持ちのいい一面のスカイブルー。
好き。
職場で一緒に仕事をしていたパートのおばちゃんが病気になった。
乳癌だという。
左胸に8cm大のしこりがあるそうで、「8cm!?」と自分の耳を疑ったのだけど、どうしてそんなになるまで放っておいたのか、と聞けば、お金がなかったから、という。
お金がない、という話は以前から聞いていた。
時給700円のパートを続けながら、生活費をやりくりするのが一杯一杯で、独身だし、弟夫婦がしょっちゅう自分のところに金を借りに来るのだと話していた。
「弟に何万か渡すとね、弟の子供が後でやってきて、こうやって手を出してくるのよ。おばちゃん、小遣いちょうだいって。親が親なら子も子よ」
そんなことを笑いながら話していたことがあった。
周りのパートさんも彼女の病状に気づいていたらしく、再三病院での検査を勧めたらしいが、本人がそれを拒み続けた。
ついに一人のパートさんが付き添いで無理に連れて行くような形で、今回の病気が発覚した。
「お医者さんが、子宮にも影があるっていうのよ」
子宮だけではなくリンパ腺にもしこりがあって、とにかく手術をしましょうということになったのだけど、血圧が低すぎて手術が出来ない。
それで今は造血剤を使用しながら、血圧を上げることに専念している。
その治療の影響で、結局仕事を半年は休まざるを得なくなり、少し前から休業していたのだけど、今日久しぶりに職場に来た。
「高澤くんにまだ挨拶してなかったから」
といって、わざわざやって来て、仕事中の僕に手を振ってくれた。
この前僕が北海道に行っていた折に休みに入ったので、話が出来なかったのを気にしてくれていたらしい。
その時、僕はスーパーの入り口で弁当売りの立ち子をしていて、自分に向かって手を振る人を見ながら「あれ?誰だっけな。この人」と思った。
顔が全然変わっていて、気づかなかったのだ。
どこかで会った人だったろうか、と思いながら手を振り返したのだけど、バックヤードに戻ったらそのおばちゃんがいて。
化粧をしていた。
思えば、初めてみる化粧をした顔だった。仕事にくる時はいつもスッピンでいたから、初めてみるようなその顔に僕は人見知りになり、少しドギマギした。
顔色がよかったので、
「顔色いいじゃない」
と言うと、
「そうなのよ、血圧も上がってね、ずっと家に居るから食べ過ぎて太っちゃった」
とはにかんで笑った。
もう少ししたら、抗がん剤の治療が始まって、そうなると髪の毛が抜けちゃうから、ここにも来られなくなるのだと言った。
僕は「帽子でもカツラでもかぶって来ればいいじゃない」と言ったけど、「いやよ」と言って、苦笑いした。
なんだか僕は、その場の空気がいたたまれなくて、沈黙を恐れ、とにかく会話を続けた。
言葉が途切れて黙ってしまうのが耐えられなくて、あれやこれやと話していた。
短い時間だったけど、
「それじゃ元気でね」
と帰ろうとする彼女に
「うん、それじゃまた。お元気で」
と言って、手を振った。
つい5時間前の出来事だ。
基本的に通院なのだと話していたから、お見舞いにもなかなか行けないけど、僕はなるべく彼女と話す機会を作ろうと思う。とにかく彼女に元気になってもらいたい。

人にとって、一番大事なものは健康だ。
健康第一とは、よく言ったものだ。
「人生、体が資本です」なんて言葉もあった。
本当にそう思う。
しかしでは、人が健康であるために、自分が健康であるために、何が一番大切なのだろうと考えれば、すぐに答えが出せない。
食事かな、とか、生活環境かな、とか、いやいや人間関係だろうとか、仕事によっても健康は左右しそうだぞ、とか。
そういう諸々のことから生じるストレスをサプリや薬で補おうとする。
けれどそれだけでは、やはり人間は健康になれないのだと思う。
作家を志す者として、言葉の力を信じたい。僕は言葉でどれだけ彼女を元気づけられるだろうか。言葉で少しでも彼女の手助けができたら、と思っている。
今年一年も色々なことがありました。
多くの人の心が揺れました。
大変な1年でした。
師走だ。
さあ、残り僅かな2011年を全力で走り抜けていこう。
自分の使命を全うしよう。


境港の風景


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