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20120212

動画の時間

【カテゴリ:日常】

久しぶりに「徒歩で日本一周」の動画を更新しました。VOL.8です。

去年、VOL.7をyoutubeにUPしてから約1年ぶり。
この動画の中で流れている時間が2009年の6月だから、早いものであれから3年が経とうとしている。
3年前の今頃、つまり2009年の2月を思い起こせば、僕は福岡にいて職探しをしていたのだった。
数ヵ月後に控えた旅の再出発のための資金作りだったけれど、福岡をバイト先に選んだのはそれ以外にも理由があって、当時付き合っていた彼女と同棲するためだった。
同棲というか、旅の再出発まででも一緒に暮らそうと、自分が彼女のマンションに半ば強引に転がり込んだのだ。
彼女は当時19歳で、ぼくが旅の中で出会った女の子だった。オーストラリア留学から帰ってきて、あるホテルでバイトをしていて、僕はそのホテルで彼女と知り合った。
彼女は語学学校に通うためにわざわざ富山から福岡に引っ越してきていた。はるばる埼玉から、荷物ひとつ持ってやってきたぼくのことを嫌がらず引き受けてくれた。
福岡での生活は楽しかった。
毎日二人で買い物に出かけ、一緒に食事を作り、お互いに洗濯も掃除もをして、夜にはささやかながら晩酌まであったのだ。彼女はお酒を飲まなかったけど、ずっと一緒に居てくれた。
中洲の歓楽街に近い春吉という街のワンルームマンションで、最初の一カ月は、そうやって6畳一間に日がな一日肩を並べて、二人でアルバイト情報誌と睨めっこしていた。彼女もまた、進学のために福岡に来ていたものの「まずは職探し」の身だったのである。
二人で何度もバイト面接を受けた。
ぼくは数カ月限定の短期バイトに絞って探していたから、それに見合ったバイトがなかなか見つからなかった。
「今日もダメだった」
「明日は頑張ろうよ」
なんつって、面接に使う交通費と食費と家賃で金が減っていくばかりで、少しだけ見晴らしのいいマンションのベランダに出て、夕暮れる博多キャナルシティをぼんやりと見つめる日々。
そうやって丸1カ月は仕事探しが続き、10個近くのバイト面接を受けて、ようやく見つかったのが、引っ越し屋の日雇いバイトだった。
登録制のバイトで、とにかく名前と電話番号だけ登録しておけば、誰でも、仕事がある時だけ電話をくれるというシステムのバイトで、
「高澤さんの携帯?明日、仕事があるんだけど来られる?」
「はい、行きます」
なんていうやり取りを何度しただろう。
けれど、このバイトも実に不定期で、平均するとだいたい2~3日に1回という出勤だったろうか。いつも前日に連絡が来るため、他にバイトを入れるわけにもいかず、掛け持ちも出来なかったので、福岡でのバイト生活は散々だったと言っていい。
金が貯まるどころか、逆に貯金を削っていった。
彼女の方も色々と面接を受けながら、最終的にはキャナルシティのショップ店員という理想的なバイトを見つけ、そうして二人の時間は減ったけれども、休日にはいつもどこかへ出かけていた。
福岡タワーに行ってみたり、大宰府に行ってみたり。大抵はお金がないからウィンドウショッピングばかりだったけど、手をつないでいれば別にそこがどこでも良かったのだと思う。
5月末。ぼくは当初予定していた通り、旅に出ることになった。
諸都合でスタートが遅れてしまい、焦っていた。
お金も貯まらなかったけど、とにかく荷物をまとめ、ぼくは彼女のマンションを出ることにした。
好き勝手にやってきて、好き勝手に出てゆくわがままな自分を彼女は許してくれた。
出発前日の夜。
彼女はずっと泣いていた。
「べつに別れるわけじゃないじゃない。また会えるんだから」と、そんなセリフを軽々しく何度も口にしたが、彼女は俯きずっと泣いて、顔をあげては、赤くはれ上がった目をこすり「元気でね」と言った。翌朝まで、ずっと泣いていた。
朝、「それじゃ」と部屋の前のエレベーターホールで別れ、僕はバス停へ向かった。
旅の再出発地点である広島まで、高速バスに乗るためだ。
もうしばらく来ることはないだろう街の景色を眺めながら、15分ほど歩いてビル街の間にあるバス停に着いた。
広島行きのバスを待っていると、向こうから一人の女の子が走ってくる。
よく見ると、彼女である。真っ赤な目をして走ってくる。
「どうしたの?」と声をかけ服装に目をやると、コートこそ羽織っているものの、中は部屋着のままだ。
「やっぱり、バスを見送りたいから急いできた」と彼女は言い、そこでまた大粒の涙をこぼした。
泣きながら、言うのである。
「本当は行かないでって言いたかったの。でも行かないでって言っちゃダメだって自分に言い聞かせて…応援したくって…」
朝っぱらのオフィス街で、スーツ姿のサラリーマンやOLが行き交う中、旅支度を整え、重そうなリュックを背負った作務衣姿の自分と、すっぴんで部屋着にコートという出で立ちの彼女が抱き合って、二人でポロポロ泣いた。通りゆく人たちが、このおかしなカップルを何事かという目で見ながら通り過ぎて行った。
そうして、旅に出た自分だったけど、この再出発はほとんど失敗の形に終わる。
それから3ヶ月後の9月頭に宮崎へやって来た自分は、そこで、またも勝手に旅を終えてしまったのだった。
理由はこれまでにブログでも何度か語ってきたことなので、ここには書かない。
この瞬間、僕は、多くの人の期待を裏切った。
親も友人も旅先で出会った人々や、見知らぬ影の応援者、そして彼女のことも、僕は全てぶったぎった。
一瞬にして引きちぎった。
旅をやめるにはそれなりの理由があったのだけど、未だに僕はそれをうまく人に伝えられたことがない。
それを言葉にしようとするたびに、相手に伝えたい本当の部分はするりとすり抜けていってしまい、空虚な気持ちになってしまうのだ。
その後、彼女にはフラれてしまった。もう1年半前のことだけど、当然の結果だった。僕は多くの人の信用を失ったのだ。
そうして今、その時の映像を編集している。
旅をやめてから、一昨年も、去年も、今年も編集している。
これを見るたびに、旅をやめた時の自分の気持ちを思いだす。
部屋のメモ帳に「動画!」と書いてある。
読書と書き物の時間の間に、動画編集の時間を作って、動画が完結するまでこの作業を続けようと思っている。



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