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20100628

阿呆の速度

【カテゴリ:阿呆】

優柔不断である。
昔から、こう、物事を即座に選べない。やるか、やらないか。買うか、買わないか。こちらか、あちらか。どっちなんだ、どっちを選ぶんだ、自分。
幼少のころ、誕生日プレゼントで親にゲームボーイのソフトを買ってもらったことがあった。おもちゃ屋に連れて行ってもらい、好きなソフトを1本だけ選ぶのだが、これが決まらない。RPGにするか、アクションにするか、それともシューティングにするか。むむむっ、つって店内で2時間も3時間も悩んだ挙句、とうとう母親が辛抱ならなくなり、「もう帰ろう」と言いだした。あ、これはいかん、と思った自分は、「ちょっと待って」を連発するのだが、母親もしびれを切らし、「また今度来ればいいじゃない」と返す。その、また今度、がいつになるか分からないと恐れている自分は、頑として譲らない。「今日、買うんだ」と商品を陳列したガラスケースにべたりと張りつく。冒険ゲームか、パチンコゲームか。ようやく2択まで絞り込んだソフトをケース越しに見比べつつ、ウロウロしては、もう一度座りこんで、また見比べる。今思えば、こういう時ってのは、子供ながらに親の沸点を分かってるんだろうな。きっと、ここまでなら親は待ってくれると計算していた自分もいたのだと思う。ついに「もう帰る」と言い捨て、車の方へスタスタと歩き出した母親に向かって「決まった!」と叫んだ自分は、それでも5分くらいは悩んで、本気で怒りだした親に「こっちにする」と宣言しパチンコゲームを選んだのだけど、これはきっと親がついに買ってくれなくなるギリギリのラインを読んでのことであって、実際は会計の段に至るまで、もう一方のソフトから目が離れなかった。
車に戻って、家までの帰途、心にあるのは今自分が胸に抱いているソフトではなく、おもちゃ屋に諦めてきたソフトである。どうしてなのか分からないが、自分というのはいつもこうであり、そうして、やはりあっちにしておけばよかった、なんて後悔することがしばしばある。この時も、家に帰ってから、いざ、ソフトを開封してゲームボーイに装着したら、なんと始まったのはパチンコゲームでなく、訳の分からないパズルゲームで、というのはそのゲームは「パチ夫くん~キャッスルストーリー~」とかいう名称のソフトだったのだけど、これはパチンコゲームとして名高い「パチ夫くん」の続編、つまり最新版パチ夫くんかと思いきや、予想外の番外編テトリス的パスルゲームだったのであって、自分は居間の畳におでこを擦りつけながら泣きに泣いた。もう、今日一日をなかったことにしたかった。
しかしまあ、そんなことがこれまでの人生の中で多々あり、洋服を選ぶにしてもそう、日用品にしてもそう、しまいには食堂に行き、悩みに悩んだ挙句、結局何を頼んでも人が食べているものの方がうまそうに見える、なんて現象まで起こる始末。こんなことではいかん、と思い立った自分は「何を買っても一緒」「どこへいっても同じ」と悟りきった風の胡散臭い行者のように日々を送っていたが、それでもまだ迷うことは多く、そうして迷うからこそ行動が遅れて、もたもたする。人にのろまと思われる。友達を失くす。「こっちの商品は丈夫という利点があるけど、ちょっとデザインがどうもね。あっちの商品は見た目いいけど、それだけなのに値段が高いし。安いのもあるけど、やっぱり安かろう悪かろうで。でも、そんなに使うものじゃないからこれでもいいのかもね。あー、どれにしようかな」と30分くらい便器ブラシについて悩んでいたら、付き添いの友達が黙ってしまったことがあった。
だから、自分はスピードに憧れる。決定力、と置き換えてもいい。いつからか、もっと速くなりたい、スピードが欲しい、と切望してきた。頭の切れる人間のかっこよさ。細かなことにこだわらない人間の大器。スピードこそ勝利、スピードこそ正義、とすら思った。自分が今まで悩んできた時間、ほとんど無駄にしてきたその時間に本を読んでいたら、どれだけ博識になったろう。書き物をしていたら、どれだけ名人になったろう。そうして、そんな訓練を積み重ねることで、今後どれだけの時間を有用なものへ変えることが出来るのだろう。それはもしかしたら、人を救うことにつながるかもしれない。
インターネットを徘徊していてある動画に行きつき、それを見ていた自分は震えた。ここに登場する人々には、優柔不断のかけらもない。そんなことは当たり前だと言う人もあるかもしれないが、一切の悩みを捨て、一心に精進しないと生まれてこないのがスピードである。自分は、そういう人たちこそ神と呼びたい。スピードを求めることで悩みを捨てきった偉大な人、それはもう神である。世界一のスピードでピザを作るおっさんたちの、あの喜びように心を震わされた。ピザであそこまで輝けて、その輝きに照らされ感動している自分。そうか、スピードとは愛ですらあったのだ。やはり、神。自分もいち早く、スピードを手に入れよう。そのためには・・そうか、YOUTUBEで動画巡りなんかしてたらいけないのだ、とまた今日一日を後悔している。全く懲りてないような、堂々巡りの自分。


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