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20100713

コンタクトレンズのこと

【カテゴリ:日常】

コンタクトレンズを買いに行った。
最近、アルバイト先のスーパーの仕事で、配達の車を運転することが多くって、メガネからコンタクトに変えることにしたのだ。自分が使っているメガネはべっ甲の、もといセルロイドのフレームでつるが太く、運転に適さない。左右の車がつるに隠れてしまうことがあり、あっと思った時には事故になりそうなことがあった。メガネと運転の相性って、どうもよくないような気がする。単純に視界の問題だが、自分は車の運転が不得手なので、特に気をつけなければならない。
今まで、コンタクトを使っていたことはあった。二十歳から六年ほど使っていたと思うが、つまり現在二十七の僕がメガネに戻したのはここ数年のことで、これは考えてみるに、やはりこの時期に車の運転をする機会が減ったからメガネにしたんだったように思う。それまでは仕事で車通勤をしていたし、トラックの運転もしていた。あんまり意識してコンタクトとメガネを使い分けていたわけではないが、どうやらこの車の運転とコンタクトの使用時期は深く関与している気がする。
以前、コンタクトを使用していた時は、一番初めに眼科へ行って検査をし、処方箋を出してもらった。その処方箋を持って近所のメガネ屋に行き、コンタクトを購入した。この時、眼科では「あなたの目は、細胞の数が平均よりすこし少ないから、使用方法に注意するように」という指導を受け、定期健診を勧められたのだが、結局その後、一度も眼科へ行くことはなく、メガネ屋から処方箋通りのコンタクトを6年間取りつづけた。自分は医者不精だから、と言い訳するつもりもないが、二十歳くらいの時はそういうものだろう。定期健診、という言葉の重さが身にしみて分かってきたのはようやく最近のことであって、二十歳なんて時は健康だとか病気だとか、そんなものに自分は関わっている暇がないというくらい強気でいる。そんなことが後で体に出てくると知るのは、実際に出てきてからである。
あれから8年後。現在、地元から離れて暮らしている自分は、そんなわけでコンタクトの必要性を感じ、購入方法を考えていた。あのメガネ屋に自分のコンタクトレンズのデータが残っているはずだから、電話して送ってもらおうかと思った。しかし、さすがに8年前の視力と今の視力ではズレがあるだろうし、何より、あの医者の言葉が気になる。細胞が少ないというのは、どういうことだろう。現在の細胞の様子はどうなのだろう。今さらながら、そんなことが気になり、新たな処方箋をもらいに眼科へ検査に行くことにした。事前に調べた眼科医に電話をし、処方箋が欲しいということを伝えると、返ってきたのは意外な答えである。
というのは、どうもここ数年で、コンタクトを取り巻く状況が一変したらしい。以前自分は、一回の処方箋で数年間コンタクトを購入し続けていたが、何か法律の変化だろうか?一回の処方箋で三か月分しか出せないのだと言う。購入の都度、定期健診を受けて処方箋をもらわなければならないのだそうだ。コンタクトレンズという「医療器具」のレベルが格上げになったとかで、高度なんとか、いうペースメーカーなどと同等の管理義務を負うことになったらしい。しかし、三か月に一回というのは負担である。また、自分はその処方箋でインターネットにてコンタクトを買うつもりでいたのだが(眼科医併設の販売所では、同じ商品が倍の値段している)、これも「その販売先に処方箋を送り、サインをもらって、当医院まで実際の商品と一緒に再度持ってきてください」という。海外製の安価なコンタクトレンズによる失明事件やトラブルが相次ぎ、処方箋を出した医者が責任を問われるケースが増えているのだそうだ。ずいぶんと厳しくなったもんだなあ、と思いながらも、とにかく処方箋をもらうべく、その眼科へと行ってみた。
検査を一通り終え、最後に医者からの診断があった。気になっていた細胞の数とやらだが、どうやら前回からそれほど変化はないらしい。「平均よりは少ないですが、まあ大丈夫でしょう」と、8年前と同じことを言われた。「しかし、これがもっと減っていくとドクターストップがかかりますし、一定の数を切ると将来白内障を発症した時に手術が受けられませんので、使用方法はきっちりと守り、コンタクトをつけながら寝るなんてことがないように気をつけてください」と念を押されて、処方箋を頂いてきた。コンタクトつけっぱなしの睡眠は常習であったので、何だか見透かされているような気がし、苦笑いをしてしまった。
家に戻り、テーブルの上に処方箋を投げ出して、ふぅと息をつく。自分の体や目のことや、厳しくなった規制、誰かが言っていた「世の中が平和になると規制が増える」という言葉、これからのコンタクトレンズの購入方法と、三か月に一度の定期健診の煩わしさなどが、どっと頭に押し寄せて、なんだか体が重かった。顔がぽーっとしてきたので、体温計を取り出して脇に挟み測ってみると、熱が38℃あった。「あらららら。どーしちゃったの?」独りごちて、全てのことを一旦投げやり、コンタクトの注文もしないまま布団に横になる。「なんだかなあ」呟いた言葉は、ぶうぶうと音をたてながら回る扇風機に掻き消され、自分は、取るに足らない淡い一日の終わりを感じていた。


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