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20101018

医心方・房内篇

【カテゴリ:考察】

ここに医心方という本がある。
医心方とは、ウィキペディアによると、「平安時代の宮中医官である鍼博士丹波康頼撰による日本現存最古の医学書」とある。
全30巻からなっており、その項目は耳鼻咽喉眼歯篇、泌尿器篇、皮膚病篇から美容篇、蘇生・傷寒篇、胎教篇、中毒篇など、およそ現代医学の枠を最大限まで押し拡げた形で網羅されている。
上にあるように、この書物が編纂されたのは平安時代のことであり、984年に撰者の手により朝廷に献上されているが、その後、1554年に天皇家から、当時の典薬頭(朝廷にて医薬をつかさどる者の長)であった半井家に下賜された。半井家ではこの書を家宝にしていたという。1982年に同家より文化庁に買い上げがあり、1984年国宝に指定された。
この書物の元々のベースとなったものは、平安時代に遣唐使が持ち帰ったとされる中国の医学書、仙術や道教、仏教関連の書物だったと言われ、その当時の中国の医療技術の水準の高さには驚嘆するばかりだ。
余談だが、半井家というと自分はNHKのお天気おねえさんを思い出すのだけど、この人はもしかしたらそのご子孫かもしれない。たしか半井小絵さんという名前だったと思うけど、彼女はずいぶんと名家の出なんだと週刊誌で読んだことがある。珍しい名前だから、つながりくらいはありそうだ。
そんな医心方だが、今、自分の手元にあるのは巻二十八「房内篇」一冊である。
これ以外の巻を揃えるつもりはない。現在、医心方は槇佐知子さんという作家によって各巻が翻訳刊行されているが、専門書的な扱いになるせいか値段も張り、一巻が2万円前後している。欲しいのは山々だが、自分のような貧乏人にはおいそれと手に入るものではないのだ。
ちなみに房内とは、閨房のことを指す。この房内篇に載っているのはいわゆる房中術であり、くだけた表現をすればセックスの指南書だ。
セックスの指南書と言えば、インドのカーマ・スートラが有名だが、日本においてはこれが最古のものとなるだろう。当時はセックスも医学の範疇にあって、その書物は中国では皇帝に召されてきたし、日本では天皇家に重用されてきた。
現代にしてみれば、これは異様な話でもある。何故、房事と医学が一緒になるのか。今は一言でエロと言い捨ててしまうものが、その昔は立派に医学として勉強され、健康に大いに関与してきた。しかし、それを考えると、一体どちらが正しいのだろうと思ってしまう。およそ間違えているのは、現代ではないだろうか。
これは個人の主義の問題になるが、自分は学校でも家庭でも、もっとセックスの話がおおらかに話されていいと思う。思春期の息子には親父がオナニーの仕方を教えてあげられるくらいが、社会としてベターだと思う。実際に日本だって、江戸時代まではそれくらいオープンだった。西洋にかぶれた明治以降、そういったことを敬遠することが文明だと誤解してきただけではなかろうか。現代は、きれいごとばかりのような気がしてしょうがない。
産婦人科医であり作家でもある笠井寛司氏がいうところには「日本人の離婚原因トップである性格の不一致とは、真相を言えば性の不一致」なのだそうだ。離婚が増える要因として、男女とも「性の知識をあまりに知らなすぎる」からだという。
先日、このブログで高校生の3PとAVの話をしたけれど、これも同様であろう。AVが教科書になってしまう。しかし、これは当たり前の話だが、AVがセックスの教科書になるわけがないのだ。そこでは全く女性の存在はただの穴でしかなく、感情は計られない。健康の概念に至っては皆無と言っていいだろう。ただ欲望あるのみだ。そりゃ、そんなもの教科書にしていたら、いつかセックスレスにもなるはずだ。
医心方・房内篇にはそのようなセックスの仕方は出てこない。本を読んでいれば、まず、そもそも腰をやたらに振るセックスは間違いだと気づく。いつか腰をいわすからだ。腰の故障や心身の疲労はセックスレスにつながる。セックスレスは離婚につながる。といった悪循環。この本には、セックスによってお互いがエネルギーを与え、そして頂く理想の姿が描かれている。
最近、スローセックスという言葉を聞くようになったが、これはその走りなのだろう。セックスとは10分20分でせかせか行うものでなく、2時間も3時間も楽に続けることで、自己の体の調子を整えていく行為なのだ。房内篇で面白いのは、体の各部故障に応じて、それを治癒する体位が紹介されていることである。この辺りは気功的だが、基本的に快楽と長寿は同一線上にあるという考え方だ。
何が言いたいかって、性行為は食事、睡眠と同様に大切なことだと言いたい。3大欲求はそのまま、人間に必要不可欠な3要素だ。
こういう名著が今でもせっかく残っているのだから、社会全体でもうちょっとセックスについて真面目に考えてもいいんじゃないかと思っている。いや、そういう時代に差しかかっているんじゃないか、という気がする。もう一度、下心なしで見直してみるべきなのだろう。少子化だとか、エイズとか、現代病といったことまで、それによってカヴァー出来る範囲は案外広いと思う。


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